大会を終えて - 世界に繋がる大会「GGC」とは

大会を終えて - 世界に繋がる大会「GGC」とは

GALLERIA GLOBAL CHALLENGE(以下、GGC)は、「Road to World!」をテーマに、日本のeスポーツプレイヤー人口拡大と、世界を目指すプレイヤーの育成支援を目的としている。

今年9月にLFS池袋で開催されたGGC 2019の採用タイトルであるCS:GOは3年連続で採用されており、いずれの年もアジア太平洋地域の各国のトップチームが集う「ZOWIE eXTREMESLAND CS:GO ASIA(以下、eXTREMESLAND)」へ優勝チームを送り込んでいる。まさに、GGCは日本一のチームを決める大会であることはもちろん、日本のCS:GO競技シーンで活躍するプレイヤー、チームにとって憧れの世界大会へ出場するための登竜門的な大会だ。

本記事では、アジアトップを決めると言っても過言ではないeXTREMESLANDへ繋がるGGCに出場する日本チームが、3年を経てどう世界との差を縮めているのか、また日本シーンが今後どのように成長していくかをまとめる。

数年を経て大きく成長を遂げたAbsolute

現在も、国内大会で連覇を続けているAbsolute。GGCでは2017年より3連覇しており、2019年ではWESG 2018-2019/WESG 2019-2020 日本予選、OMEN Challenger Series 2019 日本予選においても優勝、世界に繋がる国内大会においてほぼ勝利を勝ち取っている。

GGC 2019を勝ち抜き、出場したアジア大会eXTREMESLAND 2019では、昨年の最下位から打って変わって韓国トップチームMVP PKを破りBEST4。今年3月に出場した世界大会WESG 2018ではBEST8に入ると着実とアジアトップへと足を進めている。

また、昨年はメジャー大会に繋がるAsia Minorに出場。惜しくもあと一歩というところでメジャー大会への出場を逃したが、日本チームもメジャー大会に出場できる可能性はゼロではないことを証明した。

Absoluteは長年同じメンバーで活動しているが、今年に入り世界大会の出場経験もあるJUNiORコーチが加入。そして、同じく日本チームであるIgnisもアジアシーンへの活動を広げ、共にライバルチームとして日々切磋琢磨し、現在も実力を伸ばし続けている。

日本含む、アジア全域のチームの現状

現在、アジア太平洋地域だと、オセアニア地域の100 Thieves、Renegadesがトップシーンで活躍しているが、アジアのみを見てみるとどうだろうか。HTLVランキング(2019年12月2日時点)の順位を見てわかるように、現在TOP30には先日のeXTREMESLAND優勝を収めた中国の「TYLOO」しかランクインしていない現状だ。

アジアチームは国際大会への出場枠が少なく、他地域と比べ格段に国際大会への出場経験が少ない。加えて、ヨーロッパやアメリカといったトップチームとの練習試合が組めないことを理由に、どうしても他地域と差が出てしまう。一部のアジアのトップチームはヨーロッパなどでブートキャンプを行っているが、それでも追いつけていない現状がある。

しかし、先程出場枠が少ないと述べたが、実は国際大会に繋がるアジア予選等の大会は結構な頻度で行われている。直近であれば、IEM Katowice 2020 アジア予選があった。IEM Katowice 2020 アジア予選はアジア全域のチームが出場できるため、競争率は非常に高いが、国際大会へ繋がるチャンスのひとつなのは確かだ。

もちろん、アジア全域のチームが出場できるため、競争率は非常に高く、なおかつスケジュール的な厳しさもあるが、実は国際大会に繋がるチャンスは比較的多く存在することを多くのチームに知ってほしい。

また、以前よりAbsoluteが目標と答えているメジャー大会出場。年に2回行われるメジャー大会は、数あるCS:GOの大会の中で最も権威のある大会といっても過言ではない。メジャー大会は全てのチームがエントリーすることができ、地域予選から複数のステップを経て本戦への出場権を獲得することができる。

メジャー大会出場に繋がるAsia Minorへの東アジアからの出場枠は1枠と非常に狭き門だったが、先日発表された次期メジャー大会ESL One Rio 2020では東アジアからの出場枠は1枠から2枠に拡大、2枠に拡大されたことより、メジャー大会出場の可能性はより高まった。

出場枠が拡大されたとはいえ東アジア予選は、韓国MVP PKをはじめ、モンゴルAUGUST、Mazaalai、D13といった強豪チームが出場する。しかし、eXTREMESLANDで同じく東アジアの強豪チームMVP PKを破ったAbsoluteにとってメジャー大会出場はそう遠くない未来のように感じる。次回のメジャー大会は来年5月、Asia Minorの東アジア予選は2月からスタートする。Absoluteをはじめ、Ignisやその他日本チームがどこまで結果を伸ばせるかに期待が高まる。

この1年で格段と縮まった日本チームとアジアチームの差

日本とアジアのCounter Strikeシーンは、この数年を経てどうなっているだろうか。結論から言うと、確実に縮まっていると考えている。

HLTVなどで日本チームの過去の実績を見てもらえば確認できるように、昨年以前、日本チームとアジアトップチームは大きく差が開いていた。個人的に深く印象に残っている大会は、2018年6月に台湾で行われたZOTAC CUP MASTERS CS:GO 2018 アジア太平洋ファイナル。この大会でSCARZ Absolute(現Absolute)は日本予選を優勝し出場したが、敗者復活戦無しのシングルエリミネーションの1回戦でMVP PKに16-4で完敗、たった1試合のみで大会から去る結果となった。

しかし、先月行われたeXTREMESLAND 2019ではどうだろうか。Absoluteは、数あるアジア諸国のトップチームを次々と倒し、遂にはMVP PKを2-0で制した。

日本は他国と比べるとコミュニティが小さいため、どうしてもチームの解散、分裂が非常に多い。しかし、この1年、日本チームの海外での活躍や国内リーグ「宴」の発足もあり、日本トップチームAbsoluteを筆頭に、Ignis、DWFNといったチームがその後を追うように諸大会で結果を残し、日々世界を目指し奮闘している。

国内の競技シーンを支えるCS:GOリーグ「宴」

昨年、Counter Strikeのレジェンドプレイヤーnoppo氏、XrayN氏、xenqlity氏が階級制の国内リーグCS:GOリーグ「宴」の開催を発表した。階級制となっているため、初心者から上級者までが白熱した試合を楽しむことができ、各階級によって賞金や参加賞などが提供されている。また、今年度のGGC 2019ではオンライン予選を「宴」が行い、宴 三杯目よりは大会スポンサーに「GALLERIA」が仲間入りする等、更なる盛り上がりを見せている。

2019年2月の第一杯目から、全157チーム計1,009人がエントリー、日本最大級規模のコミュニティ大会となり、先月終了した第三杯目も総勢79チーム計475人のプレイヤーが参加しており、現在もその勢いは続いている。

また、宴 第四杯目のエントリーは記事執筆時点(12月16日)で既にスタートしており、来年の2020年1月15日までエントリー可能になっている。自分の力試しをしたい、公式試合の雰囲気を感じたいといった方は是非出場してみてはいかがだろうか。

更に世界との差を縮めるために 世界に繋がる大会「GGC」の存在

この数年で、日本チームが大きく成長できた理由として第一に思いつくのが、公式大会が増えたことだと感じている。毎年秋にGALLERIAが開催する「GGC」を筆頭に、初心者から気軽に参加できる「宴」や中国アリババグループが開催する「WESG 日本予選ファイナル」、そして有志団体の各コミュニティ大会だ。

特にGGCは国内有数の他タイトルと比べ、競技レベルはもちろんのこと、オブザーバーや有志団体の活躍もあり、演出面や観戦のしやすさは日本トップクラスで、CS:GOというタイトルでは国内で最も権威ある大会といっても過言ではないように感じる。

GGCを実際に観戦してCS:GOに興味を持った、もしくはプレイしてみたいユーザーという方がいたら気軽に出場できる国内リーグ宴をはじめ、来年の開催も期待されるGGCに出場、そして是非オフライン大会へ足を運び、日本トップ同士の争いをその目で確かめてほしい。

(動画が指定の時間にスキップされない方は3:47:35から)

最後になるが、GALLERIA GLOBAL CHALLENGEを通して、日本のCS:GOシーンでプレイするプレイヤーが世界を知り、世界と繋がり、そして世界で活躍するプレイヤーが誕生することを強く願う。

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