Day4 玄武・朱雀トーナメント 試合の流れと注目プレイの解説

Day4 玄武・朱雀トーナメント 試合の流れと注目プレイの解説

8月31日から9月1日の2日間、9月末にLFS池袋 esports Arenaにて行われるオフライン大会「GALLERIA GLOBAL CHALLENGE 2019」へ繋がるオンライン予選のDay3、Day4が行われた。

先週末に行われたDay1、Day2、白虎・青龍トーナメントではAbsolute、Ignisといった国内トップチームが勝ち抜き一足先にオフラインプレイオフに足を進めた。そして、Day3、Day4では、白虎・青龍トーナメントにて惜しくも敗退したチームによる敗者復活戦、 玄武・朱雀トーナメントが行われ、残り2枠となったオフラインへの枠を巡る試合を繰り広げた。

本記事では、玄武・朱雀トーナメントの決勝戦、「Updraft vs V3 Esports」、「SCARZ vs 即席」の2試合の試合の流れと注目プレイ、注目シーンについて解説する。

玄武トーナメント決勝戦 Updraft vs V3 Esports

玄武トーナメント決勝では、青龍トーナメント決勝で絶対王者Absoluteを2-1まで追い詰めたUpdraftと、LoL、PUBG、Overwatchといったチームを所有するプロチームV3 Esportsの試合が行われた。

Updraftが一枚上手に感じたVertigo、Mirage

1stマップはV3 EsportsがピックしたVertigoが行われた。Vertigoは今年の3月に競技プールに追加されたマップでプロシーンでもあまり見られないマップの為、ピック側のV3 Esportsの完成度に期待が高まる。

1stラウンドのピストルラウンドではV3 EsportsがAセットを選択し、容易に設置に成功した。Vertigoは敵のピークがない限りはAサイト手前までスローで入れる為、やや引き目の配置をとっていたUpdraft側はV3 Esportsの攻めを止める事はできずリテイクを選択した。Updraftも人数をかけリテイクを試みるが、既にポジションをとっていたV3 Esportsに対しサイトへの侵入を許さず、1stラウンドはV3 Esportsが獲得した。

1stラウンドを獲得したV3 Esportsは流れを付けそのまま3ラウンド獲得するが、4ラウンド目がUpdraftにとってターニングポイントとなった。4ラウンド目、V3 EsportsはBセットを決行するが、Anker選手、EROC選手の設置すら許さないコンビプレイにより4ラウンド目を獲得、続く5ラウンド目もNorisen選手のAWP3キルによりラウンドを獲得した。

V3 Esports側も投げものを駆使しサイトに攻め入るが、Updraftは序盤に取られた3ラウンドの仕返しと言わんばかりの守りを見せ驚異の12ラウンド連取、12-3でUpdraftが大きくリードを広げラウンドを折り返した。

後半ラウンドでは、V3 Esports側も4ラウンドを取り返すが既に大きく開いている差を埋める事はできず16-7でUpdraftが勝利、1stマップを獲得した。Updraft、V3 Esports、両チームともにAIMの差は余りない様に見られたが、やはり国内大会、アジア大会等での経験が豊富なUpdraftが一枚上手のように感じた。

続く2ndマップはUpdraftのピックマップ、Mirage。Updraftは青龍トーナメント決勝でAbsoluteを16-13で破っており、MirageはUpdraftの得意マップの1つと言えるだろう。

1stラウンドではUpdraftはAセットを選択、しかしV3 EsportsはAに4人、Bに1人の配置をとっており、Updraftはまさに飛んで火にいる夏の虫状態、V3 EsportsのSeratos選手が4人連続でヘッドショットを獲得。しかし、Updraftのflax選手が負けじと4キルを返し、1v1シチュエーションへ。

flax選手は設置フェイクを入れ階段を確認しつつLied選手の動きを探るが、flax選手の読みは惜しくもはずれ、サイト横から回ってきていたLied選手にヘッドショットを決められ1stラウンドはV3 Esportsが獲得した。

1stラウンドはV3 Esportsが獲得したものの、Updraftがラウンドを徐々に獲得、6-3でUpdraftがリードを広げる。しかし、10ラウンド目にV3 Esportsのesko選手が見せる。

V3 Esportsはマネーに余裕がなかった為ハンドガンのみを購入し5人全員でAを守るAスタックを選択、タイミング良くUpdraft側も素早いAセットを決行、もちろん武器差がある為Updraft側が次々にキルを獲得しAサイトへ攻め入るがサイトへの侵入を試みるUpdraftに対し、V3 Esportsのesko選手がDesert Eagleで4人をヘッドショットし、ラウンドを獲得した。

Desert Eagleはハンドガンながら、頭に入れれば1撃で倒せる高火力の武器だ。しかし、精度の低さや、連射すると思うように真っすぐ弾が飛ばない事から扱うことが非常に難しい武器として知られる。Desert Eagleを上手く使いこなし1人で4人を持って行ったesko選手のAIMに筆者も思わず目を丸くした。

しかし、V3 Esportsは若干のCT有利マップといわれるMirageにてリードを広げる事ができず、16-9でUpdraftが勝利した。MirageはCT有利マップといわれるものの、シンプルにチームの連携力が問われるマップでUpdraftがチームの連携力といった面に関し一歩秀でた。そして、Updraftの勝利と同時にAbsolute、Ignisに引き続きオフラインプレイオフへの切符を手に入れた。

朱雀トーナメント 決勝 SCARZ vs 即席

予選トーナメント最後となる朱雀トーナメントではSCARZと白虎トーナメントでIgnisとの熱戦を見せた即席の試合が行われた。また、SCARZは昨年11月にラインナップを変更して以来、シーンへの露出が減少していた為、期待が高まる。

攻め、守りとどちらも高い火力を見せたSCARZ

1stマップのNukeでは、ピストルラウンドからpankaja選手のuspが炸裂、鋭いAIMを決め即席を4人ヘッドショットで持って行った。また、pankaja選手は1ダメージも受けていない為、武器、投げものを全て揃え次のラウンドへ向かう事ができた。

ピストルラウンドを獲得し流れをつけたSCARZは、次々とラウンドを獲得し個人技、連携力の差を見せた。

10ラウンド目、即席は新通路攻めを選択、SCARZのfujiyama選手がファーストキルを獲得し、fujiyama選手は敢えて前にピークせずジャンプピークで人数を確認、サイドからbazooka選手のカバーが入り、一気に3人をキル。少人数戦、もしくはラッシュへの対策には人数確認が非常に重要で、ファーストキルを獲得すると思わず前へ出がちだが、ここで我慢し敵の人数を確認したfujiyama選手のナイスプレイがラウンド獲得につながった。

前半ラウンドでは、SCARZが大きくリードを広げ11-4で後半ラウンドへ進んだ。テロリストへ移ったSCARZは持ち前の個人技で前へ前へといった攻めで即席を圧倒した。

18ラウンド目、pankaja選手が素晴らしいリコイルコントロールを見せスロープを制圧、そして外周りから詰めていたxeez選手がAサイトを3人ヘッドショットし僅か30秒足らずでラウンドを獲得。

後半ラウンド、SCARZの高い火力により即席側は1ラウンドも獲得できず白虎トーナメントでIgnisを追い詰めた即席の健闘むなしく16-4でSCARZが勝利、1stマップを獲得した。

続く2ndマップDust2は、1stマップのNuke同様SCARZ側の高い火力により序盤からラウンド差を広げる。SCARZ側はラウンド序盤で人数を削られ人数不利になろうが、チームメンバー全員がクラッチプレイヤーではないかと言わんばかりのクラッチシーンを見せ即席を圧倒した。

SCARZは前半ラウンドにて11-4で大きくリードを広げ、後半ラウンドもラウンド連取を許さず16-8でSCARZが勝利、オフラインプレイオフ最後の枠を掴んだ。

4つのチームがオフラインプレイオフへ進出

オンライン予選を経てIgnis、Absolute、Updraft、SCARZの4チームがオフラインプレイオフへ足を進めた。既に発表されているオフラインプレイオフのトーナメント表は以下になる。

オフラインプレイオフのトーナメント表
オフラインプレイオフのトーナメント表

恐らく多くのプレイヤーがIgnis、Absoluteが決勝へ勝ち上がると予想するであろう。筆者自身も、前年同様にIgnis、Absoluteの2チームが決勝へ上がると予想していた。

しかし、今回のオンライン予選を見てどのチームにも得意マップや不得意マップ、又はチーム同士の相性といった面が見られた。個人技の高さが目立つチームや、連携がうまく取れているチームと、それぞれのチームに特徴がある為、どのチームが勝ち上がるか予想が非常に難しい。オフラインプレイオフは9月22日、23日の2日間、LFS池袋 esports Arenaにて行われる。Counter Strikeファンは日本トップ同士の対戦を是非その目で見て観戦してほしい。

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